煉化石窯

~煉瓦で組んだ窯なので煉化石窯で、略して石窯と呼んでいます~

私たちは窯を作っている煉瓦屋です

当社は1996年(平成8年)より石窯の製作を開始し、現在ではピッツァ窯をはじめとしてパン窯、かまど、薪グリル、トスカーナ暖炉等様々な調理窯、厨房窯の企画・設計・製作・メンテナンスを行っています。
私たちの一貫した想いは、「石窯の仕立て屋」です。

明治時代には煉瓦のことを煉化石と呼んでいました。煉化石の釜は下に火が位置するかまど、煉化石の窯は水平方向に火があるのぼり窯。それを短縮したものが石窯として現代に生きているのではないか。という考えでピッツァ窯やパン窯、グリル窯を造っています。
当社は明治35年に創業者増田定吉が左官業から丁稚修業を始め、大正6年に煉瓦工場を創業して2017年で100年目を迎え、ピッツァ窯の製造は2021年で25年目になりました。イタリアの熟練した窯職人からすれば私たちの技能などまだまだだと思います。でも我々窯職人は石も煉瓦も左官も溶接もこなしてきた実績と職人のプライドがあります。なんといっても職人が31歳から49歳までの、実際ピッツァを現場で焼いているピッツァイオーロと同じ世代が窯を造ってます。窯職人はピッツァも焼きます。だからピッツァを焼く職人の気持ちで窯を造らせて頂いています。

私たちはクライアント(厨房メーカー、飲食業オーナー、設計士、調理師etc...)様のご要望やイメージを汲み取り、煉瓦の窯屋としての厳しい視点で材料を吟味し、また窯職人として培った技で一基ずつ丁寧に窯を仕立てます。

「窯の仕立屋」としてのこだわり

1基ごとに煉瓦の切り出しから始めて造る窯は大量生産できません。煉瓦のカット形状でドームのシェイプが微妙に変わり、ここから窯のくせ、引いては窯の個性が誕生してきます。

石窯を造って感じたことですが、日本の市場には釜と竈の材料しか入手できないことがわかりました。500度の高温でピッツァを焼くには、また小さなドームを煉瓦組みするには日本では流通されていない耐火材料が不可欠です。その材料はイタリアやフランスから独自で取寄せ、その取寄せた材料の特性を理解した上で、お客様にあった窯の材料選定をし窯づくりをしています。思い描く材質が見つからない場合は、私たち自身で窯床を製作することもあります。

私たちはいわゆる【窯の仕立て屋】的な存在なのです。

汎用性のある市場向けには、弊社と同じ境遇で煉瓦製造からピッツァ窯製造で実績のある海外の2社と長年に渡りお付き合いしています。2006年フランスFAYOL社からパン用の煉瓦窯の材料の供給を開始し、2010年からイタリアVALORIANI社からピッツァ用の煉瓦窯の材料供給が始まり、各社の煉瓦の特徴を生かした成果として窯の供給はじめ共同制作やOEM供給、オリジナル商品などを供給しております。お陰様で本場の窯を日本で使いやすいピッツァ窯・パン窯・グリル窯として弊社工場でひと手間かけた商品群は10年以上の実績で様々なユーザー様から高い評価を頂いております。

海外から届く窯床用部材
白土煉瓦形状(FAYOL社)

「こうしたい!」に応えます

「ピッツァの職人技を社員みんなが共有できる焼き具合が一様に仕上がるガス窯が欲しい」
「幼稚園児に体験させたいので軽くて移動しやすい低床の薪窯を造ってほしい」
「薪窯で使用していたがガス窯で同等のピッツァを提供したい」
「パン窯をロケットストーブ方式でつくれないか」
「薪のパン窯を造りたいが、設計からパン指導まで面倒見てほしい」
などなど

一見、製作が難しそうな窯のアイデアや、厨房設計に初めて石窯を組み込む案件をお持ちの方など、まずは当社にご相談ください。
遠方にはなりますが、前橋のショールームにお越しいただいて、石窯での焼成体験をしていただけると、厨房のレイアウトやメニュー構成、排気設備の重要性、導入後の研修、生地の供給等、薪・ガス・電気窯の特徴など机上で解決できないお悩みがすっきりすることでしょう。
前後しますが、窯の外観イメージや現場の環境や店舗の図面や設置希望、お店の特徴などをお聞かせいただき、石窯を中心とした予算や完成イメージ図面を基に、ご要望に沿ったプランを提案させていただきます。

とことんご要望と向き合います
シミュレーション、テスト焼成を何度も行います

窯職人による確かな窯づくり

私どもの窯づくりでは、レンガ積みを含むセラミックで構成する石窯の重要部分は全て手作業で行っています。見えない蓄熱部分は粒度の異なる層を重ね、炉床は床板にし易いよう繊細な勾配をつけたりと、常に調理者の視点で窯づくりを進めております。
現場での施工も対応できます。開口幅が窯幅より小さいなどの理由で搬入設置できない場合は、現場にて窯職人が出張して造り上げます。製作日数は仕様に依りますが2日から7日程度でパン窯ですと10日から30日程度を要します。海外での施工実績もございます。

工房で煉化石窯施工の様子
現場でのタイル仕上げは細かな仕事を丁寧に

私たちのつくるピッツァ窯例

型式:POW-Vulcano 1000(土佐漆喰仕上げ)
燃焼効率を考慮した設計・提案をいたします。

美しさにこだわった煉化組のドームは抜け落ちにくい立体成形を施しております。内径600mから1200mまで対応可能です。この他にも一体成形のドームも取り揃えております。

1 内径 900/1000/1200m 2 内径 600/700/800m

薪の使用量1日あたり4.1束
大容量の蓄熱を確保する設計のため、熱効率を最大限高めることが可能です。

※当社調べ。ランチ・ディナーをとる営業形態の場合。

薪窯で現地ナポリの焼きを目指したい方にご提案しております。柔らかな熱の当たりが特長です。ガス窯にはおすすめできません。

イタリアの窯メーカーと共同で制作したものと自社製の2タイプがあります。密度の度合いによる焼きの好みを選択でき、一枚板なのでパーラーの引っかかりが少なくなります。ガス釜におすすめです。この他にも焼きの好み、寸法、業態によって様々な床板をご選択できます。

計画実現・維持をサポートする
技術とノウハウ

ガスバーナーは用途に合わせて高い技術と実績のあるガンジョーネグループでもある有限会社藤村製作所製のバーナーを採用。また、ハイブリット化や温度調節用にイタリアのバーナーも採用しております。当社スタッフにより石窯に組込み、性能試験を行うことで、安全で最適な燃焼を実現しています。出荷前にはバーナー焼成時の排ガス測定結果を添付し、現場お引渡し時再度燃焼時の排ガスを測定することで、設置環境での安全性をご確認いただいた上で、お引渡しとさせていただきます。この測定値は数年後、ガスバーナーのメンテナンスを行う際の基準になります。このような、出荷時から使用時における長きにわたっての管理を行うことで、ガス窯による安全な使い方をご理解いただき、メンテナンスサービスの提案も行いますので、導入前の不安要素や導入後のコンディション維持の心配も全てクリアにするお手伝いをいたします。弊社独自のサービスで安心してご依頼いただけます。

■排気ガス測定結果(PDFファイル:206KB)

実使用条件での製品各部温度の測定

設置環境に合わせた石窯のあり方の提案

薪窯、ガス窯それぞれ燃焼するのに必要な吸気と排気のバランスが高温石窯には不可欠です。弊社では吸気・排気の設備工事は手掛けておりませんが、様々な設置環境において石窯に必要な排気風量は設備設計参考資料として、契約後にご提示させていただきます。扉が重くて開閉が困難、耳が痛くなるような負圧、天井が熱気で変色してしまうなどの起こりそうな事例を想定してのご提案をさせて頂きます。

また、地震が多い昨今、特に床荷重を軽減するために軽量化した石窯が要求されてきました。私たちは10年前から軽量化に特化した石窯材料を採用して施工しています。さらに、床面と架台をしっかりアンカー留めして地震で転倒や移動などの被害が拡大しないように対応しています。

薪窯の窯床板は柔らかく、長年の使用による摩耗や熱で欠けたりした床板を新しいものへ交換を希望されるお客様もいらっしゃいます。私どもの石窯はこの床板の交換ができるように設計・施工・材料選定をしています。他社様の石窯の床交換は交換用に造られてないものがほとんどなので弊社での交換作業はお請けできません。

薪窯を造る夢を膨らませても、実際に薪を使用できる環境でない地域や建物が増えてきました。でも私どもにご相談いただければ、ガスバーナーを併用させたハイブリット式の石窯も製作可能です。

軽量化の発泡煉化LECA
設置、運用に関わる資料でバックアップします

全国のピッツァイオーロ様、ピッツァ店オーナー様、新規にピッツァをご検討されていらっしゃるユーザー様、石窯を設計から施工、研修、そしてメンテナンスまでできる煉瓦屋の窯屋です。お気軽にお問い合わせください。

さらに、電気窯の市場提案も2018年からスエーデンのSvenska社と業務提携を結び、PIZZAMASTERのブランドで炉床に煉瓦板を敷いたノンスクリーン仕様の煉瓦電気窯を日本総代理店としてスタートしました。 電気窯に薪窯で使用している弊社オリジナル煉瓦炉床板を採用することで、スクリーンを敷くことなく450℃でナポリピッツァが焼き上げることができます。商品は10kW以上からのご提案をさせて頂いております。